「技術継承、人材育成を」 首里城復興骨子案 識者が会合


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首里城復興基本方針の骨子案について議論した有識者懇談会の委員たち=12日、那覇市の県自治研修所

 県は12日、首里城復興基本方針に関する有識者懇談会(会長・下地芳郎沖縄観光コンベンションビューロー会長)の第3回会合を那覇市の沖縄県自治研修所で開いた。首里城復興基本方針に関する骨子案(現段階で7項目)について意見を交換した。委員からは首里城復興に向けた伝統技術の継承、人材育成を視野に那覇市の県立芸術大学に文化財の保存修復を手掛けるコースの設置や、伝統文化の産業化を骨子案に盛り込むべきだとの声が上がった。

 第4回会合(24日)で今回出た意見を含めて検討し、骨子案の内容を充実させる方針。4回までの議論を踏まえ基本方針を決定する。

 非公開の会議後、下地会長と県の前原正人秘書防災統括監らが報道陣へ議論の内容を説明した。

 現時点で検討しているのは(1)正殿の早期復元と復元過程の公開(2)首里城公園内施設の利活用(3)文化財などの保全、復元、収集(4)周辺地域の段階的な整備(5)文化、教育、観光資産としての活用(6)琉球文化のルネサンス(7)基本計画の策定・推進―の7項目の骨子案。「火災の原因究明及び防火・施設管理体制の強化」に関しては、防火対策に関する第三者委員会の議論を踏まえるとして、現時点では骨子案に盛り込まない方針を確認した。

 骨子案について、委員からは首里城の地下にある日本軍の第32軍司令部壕について「全部の公開は難しいにしても部分公開も含め、何らかの形で盛り込む方法があるのではないか」との意見が出た。