「十三マーイ」のお祝いに―。糸満市の国吉和子さん(79)がこのほど、伝統玩具の「琉球手まり」を、大めいで八重瀬町立具志頭小学校5年の山川琉愛(るあ)さん(11)=同町=に贈った。琉球手まりは、数え13歳の娘や孫娘に贈る風習から「十三マーイ」とも呼ばれる。国吉さんは、亡くなった母親から贈られた手まりと共に「すくすく育ってほしい」と願いを込めて編んだ愛情の結晶を手渡した。
琉球手まりは、毛糸と木綿糸、刺しゅう糸などで作る。裁断した紙をビニール袋に入れて丸め、毛糸と木綿糸を巻き付けた球体に刺しゅう糸を縫い付けて色鮮やかな模様を作り上げる。
琉球手まり保存会代表の宮城玲子さん(77)は「沖縄に古くから伝わる玩具。干支(えと)を一回りした娘や孫娘に贈る風習があったが、最近は廃れてあまり知られなくなった」と話す。
国吉さんは昨年5月から、宮城さんに師事。手ほどきを受けながら2週間かけて作った一品を、兄の孫娘である琉愛さんに贈った。
「昔、母親に作ってもらったのを覚えていた。あの時、母にしてもらったように、孫同然の琉愛のために愛情を込めて縫い上げた」と国吉さん。国吉さんお手製の手まりと共に、曽祖母に当たる国吉さんの母親が作った手まりも受け取った琉愛さんは「大事にするよ」と笑顔で感謝した。
(安里洋輔)