虐待防止条例成立へ 「子の権利」を尊重 沖縄県議会


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沖縄県議会

 虐待から子どもを守るなど「子どもの権利」を尊重する県の条例案について、県議会文教厚生委員会(狩俣信子委員長)は19日、全会一致で可決した。27日の最終本会議で可決され成立する。県は4月1日に条例を施行し、子どもの権利の普及啓発を図るほか、児童を虐待から守る施策を推進する。刑罰の条項は盛り込まれなかった。

 県内の児童虐待相談件数が増加傾向にある中、全国で虐待死事件が相次ぐなど虐待問題への関心の高まりを受け、県は条例制定に向けて専門家の意見を聞く万国津梁会議を開き議論を進めてきた。

 県によると、全国では既に15都道府県が同様の条例を制定している。

 条例案は「適切に養育されること」「虐待から守られること」「自己の意見を表明すること」などの権利を「子どもの権利」と定義。保護者には体罰や心身を傷付ける行為を禁じることを「責務」として規定。県や県民、市町村など関係機関にも施策の実施などの責務を課している。

 県は条例施行に併せ、次年度から児童相談所の体制も強化する。児童福祉司6人を増員し市町村支援に特化した福祉司も配置。一時保護などの介入対応に専従する「初期対応班」を新たに創設し、人事交流で現職の警察官を配置する。