高齢者が感染するイメージが… 新型コロナ10代感染で若者に危機感


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 沖縄県内在住の10代女性に新型コロナウイルスの感染が確認されたことを受け、教育関係者や介護事業者に不安が広がる。県内では2月20日以降、新たな感染者が確認されないまま1カ月が経過していた。10代の感染に県内の若者からは「もし自分がかかったら」などと懸念の声が上がった。

 那覇市のパレットくもじ前広場で友人と待ち合わせしていた会社員の仲座優美さん(25)=八重瀬町=は「年配の方に感染しているイメージだったので、人ごとだと思っていた。感染者が若い人と聞いてびっくり」と不安げな表情を見せる。旅行や出張で離島や県外に行くこともあり「人混みを避けて気を付けないといけない」と話した。

 浦添市の介護老人保健施設「エメロードてだこ苑」の渡久山剛部長は「面会停止は継続し、新たな入所者には検温を心掛けるなど予防に努めてきた。(今回の感染者が)無症状となると検温で発見できない。どうやったら予防できるか心配だ」と話した。

 ある教育関係者は欧州などで感染が急速に拡大していることに触れ、感染症の怖さをきちんと認識する必要性を指摘する。「学校現場が春休みに入り、どのような影響が出るか懸念される。県内の臨時休校措置は解けたが、今後どうすべきか、もう一度考える必要が出てくる可能性もある」と述べた。

 高教組の福元勇司執行委員長は「教育行政はあらかじめ、学生の間で感染者が出たらどうするのか対応を考えていたと思う。慌てて休校するのではなく、専門家の意見を踏まえて冷静に対応してほしい」と語った。