在沖米海兵隊は県外・国外分散を 普天間は訓練分散させ、運用停止、返還へ 万国津梁会議が玉城知事に提言


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
米軍普天間飛行場

 沖縄県が有識者の意見を政策に反映させるために設置した「米軍基地問題に関する万国津梁(しんりょう)会議」(柳沢協二委員長)は25日までに在沖米海兵隊を段階的に県外・国外へ分散することが合理的であるとする提言書をまとめた。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設は早期の危険性除去につながらないと指摘し、機動性を重視した米海兵隊の新戦略構想を踏まえて県外・国外への分散移転を提言する。県関係者への取材で明らかになった。会議は26日、玉城デニー知事に提言書を手渡す。

 提言書は普天間飛行場の辺野古移設については予定地に広がる軟弱地盤の存在で工事の長期化が確定していることについて触れている。日本政府が、米軍が使用できるまでに少なくとも12年かかると見通していることなどを念頭に、速やかな危険性除去につながらないとしている。

 海兵隊が固定的で大規模な基地よりも分散化された柔軟な配備を重視していることを説明する。中国の軍事力の高まりなどを背景に、沖縄への基地集中を避け兵力・軍備の分散が必要だと米側が分析していることも盛り込む。

 米軍の戦略変化や、県外・国外で自衛隊との共同訓練が頻繁に実施されている現状を踏まえ、在沖米海兵隊の本土・アジア地域への分散が可能だと指摘する。まず普天間飛行場の所属機の訓練を分散させ、段階的に運用停止・返還につなげていくことが危険性除去につながると訴えている。