オリオン シェア55%目標 県内ビール類 新商品投入を強化


この記事を書いた人 Avatar photo 米倉 外昭
会社の展望を語るオリオンビールの早瀬京鋳社長(左から3人目)=27日、那覇市牧志のJR九州ホテル・ブラッサム那覇

 オリオンビール(浦添市、早瀬京鋳社長)は27日、那覇市のJR九州ホテルブラッサム那覇で会見し、2020~22年度の中期経営計画を発表した。主力のドラフトビールを5年ぶりに刷新し、伊江島産大麦や県産米など地場の素材を使った「オリオンザ・ドラフト」を6月9日に発売するなど、市場への新製品の投入を強化する。ビール類の県内シェアを19年度の44%(自社調べ)から3年間で55%まで回復させる目標を示した。

 プレミアムクラフトビールの「75ビール」と新ジャンルの「サザンスター」も新製品を開発し、市場ニーズに合わせた商品展開を増やしていく。RTD(缶酎ハイや缶カクテルなど)分野で、フィットネスクラブ運営のRIZAP(ライザップ)と連携したアルコール飲料の開発を進めていることも明らかにした。糖質ゼロの酎ハイやハイボールを検討しており、4月22日に正式発表する。

 昨年3月に、野村ホールディングスとカーライル・グループ(米国)の共同出資会社によるオリオン株の公開買い付け(TOB)が成立した。新しい経営体制に移行して、初めての中期経営計画策定となった。

 早瀬社長は「第二の創業」を迎えた新生オリオンのミッション(使命)を「人を、場を、世界を笑顔に」と設定し、「新しい提案で県民を驚かせていく。地域貢献は一番大切だと考えている」と話した。

 組織再編では、年功序列や複雑な職階を廃止し、成果主義に基づいた新たな人事制度を導入する。本社にCSR推進室を設置し、地域貢献活動を拡充していく考えを示した。