パイオニアの墓を巡る カナダ県人移民120周年で


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先人たちの功績に感謝し、祈りをささげたパイオニア墓参り

 カナダ沖縄県人移民120周年行事の一環で、県人パイオニアの墓参りがこのほど行われた。在カナダ沖縄県人会の代表、会員が参加し、沖縄から県文化観光スポーツ部の山城貴子統括監らが参列した。先人の功績に感謝し、その礎の上に現在の県系人があることを再認識するよい機会になった。

 一行はバンクーバー市のマウンテンビュー墓地にある玉城吉次氏と増田ジョージ・フジ夫妻の墓で献花。玉城氏は鉄道工夫契約移民として1907年に渡加、翌年24歳の若さで他界した。移住直後の苦しい中、県人が力を合わせてお墓を建て供養したと思われる。

 増田フジ氏は30年に渡加した。増田夫妻は70年、沖縄の実業家、棚原義英氏が企業移民として社内10家族のカナダ移住を計画した際、その遂行に現地で骨身を惜しまず協力した。この時、移民した10家族が戦後、再出発する沖縄県人会の大きな原動力になった。

 バーナビー市にあるフォレストローン墓地では、初代カナダ沖縄県友愛会(現バンクーバー沖縄県友愛会)会長の佐久本盛矩氏の墓に参り献花。家族からは思い出や謝辞が述べられた。佐久本氏は16年に渡加、戦前の沖縄県人友愛会幹事や数々の日系団体の役職を務め、「カナダにおける沖縄県人の歩み」を沖縄の新聞に投稿、活躍した。
 (奥間ひとみ通信員)