3月の稼働はわずか2日のみ… 友愛観光バス、沖縄の15人を解雇 全国で休業へ


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努
那覇市の街並み。新型コロナウイルス感染拡大の影響が観光をはじめとした経済に深刻な影響を及ぼしている

 韓国系旅行社のハナツアージャパン(東京)は1日までに、子会社の友愛観光バス(大阪府)の事業を5月に休止することを決め、沖縄営業所を含む全国5カ所の営業拠点の全従業員に解雇を通告した。沖縄営業所の社員15人のうち13人が3月31日付で解雇となり、残る2人は残務作業を終えた上で4月末で退社する。 

 友愛観光バスの担当者によると、昨年の日韓関係悪化の影響で利用客が減少。中国客など他国にシフトするなどして持ち直したものの、今年に入り新型コロナウイルスの感染拡大で団体旅行が激減し、事業継続が厳しくなった。

 沖縄営業所は3月に観光バスが2日しか稼働せず、売り上げはゼロに近い状態だったという。

 友愛観光バスは大阪、東京、北海道、福岡、沖縄に営業所を持ち、5月から全て休業する。解雇する社員全員に4月分までの給料は支給し、有給休暇を買い取る。

 ハナツアージャパンによると休業期間を来年4月30日までとしているが、友愛観光バスの担当者は「再開の見通しは立たない」と話した。営業再開する際は、解雇した社員に声を掛け、希望者は再雇用するという。

 沖縄営業所の従業員は「半年間で失業保険が切れるがそれまでに再開できるのか分からない。万が一早く営業再開したとしても、最初は少人数しか呼ばれないだろう。それまで待てないと思う」と話した。