「大学側は無責任で無防備」 非常勤講師らが講義開始の延期を要請


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 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を懸念し、沖縄県内各大学の非常勤講師が加盟する大学等非常勤講師ユニオン沖縄は、琉球大学や沖縄国際大学などに対し、講義の開始延期を求める緊急要請を1日付で出した。延期が認められなければ加盟する講師に自主休講を促すという。

 県内大学では琉大と沖国大が開講を延期しないことを決めている。

 沖国大は感染防止対策を強化した上で講義開始を延期しない方針で、4月中はクラブ活動や県外・海外出張を原則禁止している。しかし、同大が講義開始時に学生の体調チェックを講師に求めていることについて、講師らは「保健の知識もないのに多くの学生の体調をチェックするのは現実的ではない。大学側の対応は無責任で無防備」と、不満を募らせている。

 講義開始延期を求める大学等非常勤講師ユニオンは、教室内で十分な距離を取ることが難しく、発話が不可欠な語学演習などに対して具体的な対策が示されていないことを問題視。「仮に教室内で集団感染が発生し、それが爆発的な感染につながったら、大学は社会に対してどのような責任を取るのか。失われた命に対しては償うすべがない」と強調し、最低でも2週間の開始延期を求めた。