街に飛散、流出、見守るだけの米軍、防衛局 泡消火剤 消防が回収対策も断念


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流出現場を訪れる米兵ら=午後1時半ごろ、宜野湾市嘉数

 【宜野湾】米軍普天間飛行場から有機フッ素化合物を含む泡消火剤が宜野湾市の宇地泊川へ流出した問題で、市消防本部は11日正午すぎから泡消火剤を回収するなど対策を講じたが、効果が上がらず断念した。本来は県管理の河川だが県は除去作業をせず、米軍と沖縄防衛局は現場で消防の作業を見守るだけだった。泡消火剤は川の水に流され、風にあおられ飛散し続けた。

 市消防職員は長靴に手袋姿で川へ降り、泡消火剤をホースで吸い上げようとするがうまくいかず、バケツで回収。量が多過ぎたため取りやめ、噴霧放水で流し出す作業に切り替えた。しかしそれも効果が上げられず、同日午後3時までに活動を打ち切った。

 米軍は飛行場からの流出対策に専念する一方、今後泡消火剤の流出が増えるなどの事態がある場合、協力して対策する方針を市消防と確認した。