休業要請、自治体で濃淡 新型コロナ 沖縄県、22日に対象業種公表へ


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 新型コロナウイルス感染拡大を受けた国の緊急事態宣言の全国適用により、各都道府県で休業要請の検討が始まり、20日までに少なくとも約20都道府県が休業要請を実施、または実施の方向で検討している。玉城デニー沖縄県知事は20日、県独自の緊急事態宣言を出したが、休業要請の対象業種は公表しなかった。県は業種の絞り込みを急ぎ、22日に公表する考えだ。

 緊急事態宣言の対象地域に指定されると新型コロナ特措法に基づいて、都道府県知事は多数の人が集まる施設を使わないよう求めることができる。休業の「要請」に応じない場合は法的義務が生じる「指示」が可能となるが、罰則はない。

 今月7日に対象地域として指定された7都府県は13日までに休業要請の対象となる業種をまとめている。

 東京都は休業の対象施設として、キャバレーやバー、ネットカフェ、カラオケ店などの遊興施設や、パチンコ店などの遊戯施設、大学や図書館、映画館などの業種を挙げている。病院や交通機関、スーパーマーケットなど、生活に必要な施設は対象外とした。休業要請の対象施設について、7都府県で大きな違いはみられない。

 ただ、居酒屋などを含む飲食店に対しては、7都府県で考え方に違いもある。東京、神奈川、大阪、兵庫、福岡の各都府県は飲食店の営業時間を「午前5時~午後8時」、酒類提供は「午後7時まで」と定め、時短営業を求めた。一方、千葉県と埼玉県は時短営業や酒類提供の時間制限は求めていない。一方、休業要請自体をしないと決めた県もあるなど、自治体によって考え方の濃淡もある。

 緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大する中、青森、岡山、徳島、熊本など16県は当面の間、休業要請を見送る方針だ。対象業種が都道府県の裁量に任されている上、休業要請をした場合の補償についても自治体の財政力ごとに違いが生じることとなり、戸惑いが広がる。

 愛媛県の中村時広知事は「要請を地方に委ねること自体が問題。地域の意見を受けて、国がするべき政策決断だ」と指摘し、国が休業対象業種などを選定するよう求めている。