御茶屋御殿復元を検討 県、首里城復興へ基本方針


この記事を書いた人 Avatar photo 米倉 外昭
記者会見で首里城復興基本方針を発表する玉城デニー知事=24日午前、沖縄県庁

 玉城デニー沖縄県知事は24日、県庁で会見を開き、「首里城復興基本方針」を発表した。「正殿などの早期復元と復元過程の公開」や「『新・首里す(い)杜(むい)構想』による歴史まちづくりの推進」など9項目を基本方針に据え、まちづくり整備や琉球文化の復興に取り組むとした。沖縄戦で失われた御茶屋御殿(うちゃやうどぅん)(同市首里崎山町)の整備を検討することを初めて明記した。首里城地下の旧日本軍32軍司令部壕については、ITを用いて内部の公開を検討するとした。

 昨年10月末の火災発生から半年を目前に、再建の全体像が具体化しつつある。国は焼失した首里城の復元工事を進めており、2026年度の正殿の完成を目指している。県も県産材木などの調達などで早期復元に協力することを基本方針に盛り込みつつ、再建の在り方を打ち出した。県は今回の方針を基に20年度中に詳細な基本計画を策定する。

 基本方針9項目のうちの一つは、1986年に首里城公園整備計画調査で区域を設定した「首里杜構想」を現在の社会環境や時代のニーズに合わせて見直した「新・首里杜構想」だ。首里城周辺の文化史跡を整備するほか、交通渋滞の緩和を図り、琉球文化を体現できる空間づくりを目指す。

 新構想には、1677年に創建され冊封使らの歓待に使用された御茶屋御殿の復元が盛り込まれた。周辺の中城御殿跡と円覚寺跡の復元も計画的に進めていく。円覚寺は2020年度に復元工事に着手し、23年度に完成する見通し。