社会

「来院控え」で一般病院の患者激減 地域医療の崩壊も 減収でも補償対象外

一般の病院では、患者の大幅な減少が続いている(本文と写真は関係ありません)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、地域のかかりつけ医など一般の病院で来院控えが増え、患者が大幅に減っている。しかし、医療従事者の給与や家賃など固定費の支払いの猶予はなく、病院からは「今後1カ月や2カ月、この状況が続けば経営が厳しい」といった声が上がる。病院は緊急事態宣言に伴う休業補償の対象にはならず、減収で経営を維持できるかは個々の体力に委ねられている。今後の地域医療の維持に不透明感が増している。

 那覇市のかいせいクリニックは患者が4月中旬ごろから通常の3分の1程度に減っている。感染の不安から高齢の患者は来院を控え、薬も長期処方を望む人が多い。その一方で熱やせきがあり、ほかの病院で診療を断られた人の相談が相次いでいる。同クリニックは「経営を維持できるかは病院の体力次第だと思う。雇用調整助成金は減収の基準があり、申請できるかは微妙だ」と話す。

 南城市のロコモクリニック南城は通院リハビリとデイケアを新型コロナ感染防止のため4月23日から閉めた。

 外来は開けているが、患者は通常の2~3割程度にとどまる。職員には休んでもらっているが、給与は全額支払う予定だ。雇用調整助成金を活用したいが、3月分の売り上げが減少要件に合致せず頭を悩ませている。昨年、大型の医療機器を導入し、借入金を返済する必要もあるといい、上原敏則院長は「飲食業もそうだろうが、今後の見通しが立たないのが一番困る」と話す。

 那覇市の仲地胃腸内科クリニックは4月中旬ごろから内視鏡検査数を半分程度に抑えている。

 日本消化器内視鏡学会が、緊急事態宣言の期間中、緊急性のない消化器内視鏡診療の延期と中止を強く勧めたためだ。

 仲地紀茂院長は今後について「最悪、持ちこたえられないところは淘汰(とうた)されていき、身近なクリニックがなくなるなど地域医療が厳しくなることも考えられる。長期的な医療崩壊が起きる可能性もある」と危機感を強めている。



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