「このままでは餓死」「急に解雇された」コロナで収入激減、追い詰められる生活


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 新型コロナウイルス感染症の流行拡大による生活の変化を聞いた県民生活アンケート。多くの人々が突然収入が激減して日々の支払いにも苦労し、先が見えない中で不安を募らせる様子が浮かび上がった。

 アンケートの自由記述には1700件もの声が寄せられた。収入が激減する中「子どもに食べさせられるか、不安しかない」(20代ひとり親の女性)、「夫婦とも働けなくなり貯金もない。路頭に迷いそう」(20代サービス業)など切羽詰まった声が多く、「先が見えない」「いつまで続くのか」と疲労感も漂った。

 事業所の経営が悪化する中「急に解雇された」(20代正規職員)、「派遣は切り捨てられた」(30代女性)、「幼児が2人いて持病もあるため休みたいが『休むなら転職を』と言われた」(20代正規職員)と雇用が守られない状況も浮かび上がった。50代男性は「派遣切りが怖い。絶望感しかない」とはき出した。

 制度が活用できない人もいた。ひとり親で小さな子どもが3人いる30代女性は「自宅保育で仕事に行けない。非正規社員への補償はなく、支払いの延期や借り入れは電話がつながらず、子どもを連れて窓口にも行けない」と困り果て「このままでは餓死か一家心中しかない」とつづった。

 外出の機会減少が健康や人間関係に影響しているとの声も出た。50代女性は「高齢者サービスが利用できなくなり、認知症の親の状態が悪くなった。我慢する時だと思うがつらい」と打ち明ける。40代女性は生活も厳しくなる中、毎日家にこもることで「ストレスが累積し、子どもの笑顔が減った」とした。

 学校や保育園が休みでも親は仕事を休めず「子どもだけ家に置いて出勤している」との声も少なくなかった。「子どもの学力に差がつくのが心配」とする声はさらに多く、「自分たちが感染したら子どもや高齢の親の世話をする人がいない」との記述も多数あった。「県外にいる高齢の親が心配」「恋人に会いたい」との声もあった。


 ▽調査の方法

 調査は4月28日~5月6日に実施、2456件の回答があった。個人の収入や勤務時間の変化、生活上の困りごとや必要なものなどをインターネット上のアンケートフォームで答えてもらった。琉球新報の記事やSNSで周知したほか、食料支援を行う「おきなわこども未来ランチサポート」の利用者などに呼び掛けた。回答者の98・5%は居住地を「沖縄県内」と答え、30代と40代が約7割を占めた。職業や職種の割合は県内就労者の構成をおおむね反映していた。