検察庁法改正見送り 自民・西銘氏「頭冷やして」 社民・照屋氏「断念を」 共産・赤嶺氏「世論の力で成果」


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 政府と政府与党が18日、検察官の定年を延長する検察庁法改正案の今国会成立を断念したことに対し、沖縄県選出・関係各会派の与野党国会議員は双方ともに一定の理解を示した。与党の自民党はいったん見送った後の議論に期待感をにじませた一方、野党は法案自体の廃案を求めた。

 自民党の西銘恒三郎衆院議員は「人生100年時代という大きな流れがある中、国家公務員全体の定年を延ばすことは間違っていないと思う。だが、検察OBからも反対の声が上がり、コロナの対応もある中、無理してやることはない。少し頭を冷やして議論した方がいい」と話し、見送りに理解を示した。

 衆院会派「立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム」の照屋寛徳衆院議員は「私も弁護士だが、あの法律では検察の公平性、中立性、権力の監視が駄目になる。政権の都合がいいように定年を延長するのはとんでもない。見送りではなく断念すべきだ。安倍政権にとっても大失態だ」と批判した。

 共産党の赤嶺政賢衆院議員は「世論の力で検察庁法の改悪強行を阻止したことは大きな成果だ」と強調した。その上で「検察幹部の役職定年に内閣が関与できる仕組みとなっている法案そのものの撤回が必要だ」と指摘。黒川弘務・東京高検検事長の定年延長の撤回や、辞任も求めた。

 参院会派「沖縄の風」の伊波洋一参院議員は「検察を時の政権に忖度(そんたく)させる方向へ変質させる大変な法案だ」と指摘。「先送りと言っているが、実際は廃案しかない」と訴えた。下地幹郎衆院議員(無所属)は、本紙の取材にコメントしなかった。