与野党の賛否分かれる 普天間・自衛隊<争点を洗う②>


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ

 県内の主要選挙では、米軍普天間飛行場の移設問題が大きな争点となってきた。

 2014年の故・翁長雄志知事就任以降、知事選や国政選挙、県民投票を通して県民は県内移設に反対の意思を示してきた。だが現在、移設先とされる名護市辺野古の大浦湾では国が建設工事を推し進めており、6月7日投開票の県議選でも移設問題は主要な争点となる。

 県議会では新基地建設に反対する玉城デニー知事を支える与党と、対立する野党の間で移設問題に対する立場が明確に異なる。今回の県議選に向け本紙が立候補予定者に実施したアンケートでも、与党系は全員が普天間飛行場の「県外・国外への移転」や「即時無条件で閉鎖・返還」の選択肢を選び、県内移設に反対する人は中立の立場を取る人を含め全体の6割余に上った。

 一方、野党系は全員が「辺野古への移設はやむを得ない」と答えた。与党側は「民意を尊重すべきだ」、野党側は「普天間の危険性除去で実現可能性があるのは辺野古移設だけ」などとしており、県民の態度が改めて問われる。

 同様に与野党の間で大きく見解が分かれる争点の一つに、先島諸島への自衛隊配備がある。宮古島市では、自衛隊の弾薬庫施設の建設が進行中で、4月には石垣市でも市と防衛省との間で市有地の売買・賃貸借契約が完了している。

 アンケートでは、与党系の多くが先島諸島への自衛隊配備に反対し、野党系は全員が賛成した。賛否の割合は反対が全体の48・4%、賛成が45・3%となっている。

 先島諸島への自衛隊配備について玉城知事は日ごろの自衛隊活動への評価とは切り分けながら配備拡大への警戒感を示してきた。しかし配備計画自体の撤回を求めるまでには至っておらず、有権者の判断に注目が集まる。
 (’20県議選取材班)