困窮家庭の高校生、9割が塾行けず バイト経験者の3割「家計の足し」


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 県は29日、2019年度沖縄子ども調査として高校2年生とその保護者に生活実態などを聞いた高校生調査の報告書を公表した。アルバイトの経験がある生徒は、困窮世帯では49・2%に上り、うち約30%がバイト代を学校の昼食代や学用品費、家計の足しに充てるなど学校生活や家計を支えている厳しい経済状況が改めて浮き彫りになった。困窮世帯では保護者の88・3%が経済的に塾に通わせられないと回答し、学習の機会でも差が出ている。

 世帯所得と世帯人数から算出した等価可処分所得が、2016年度国民生活基礎調査における貧困線122万円以下の世帯を「困窮」、それ以外を「非困窮」として分析した。困窮世帯は20・4%を占めた。

 非困窮世帯ではバイト経験がある生徒は31・1%だった。

 困窮世帯の生徒は「学校がある平日」や「年間を通して」働いていると回答した割合も非困窮世帯と比べて高く、長い時間勤務している実態も明らかになった。バイト代の使途についても、困窮世帯では「家計の足し」(30・6%)、「携帯・スマートフォン代」(40・1%)、「昼食代」(34・0%)に充てる割合が非困窮世帯より高かった。

 今回の調査は東京都子供の生活実態調査(2016年)と比較している。沖縄で経済的に子どもを塾に通わせられない保護者は困窮・非困窮合わせて69・7%に上り、東京の29・5%の倍以上になった。

 調査は2019年11月、県内全県立高校で2年生の半数に調査票を配布・回収した。同様の高校生調査は16年から3年ぶり2回目。