沖縄戦話す家族「いない」52% 高校生平和教育アンケート


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 県高等学校障害児学校教職員組合(高教組)と沖縄歴史教育研究会は1日、5年に1度、高校2年生を対象に実施している「平和教育に関するアンケート」2020年版の結果を発表した。沖縄戦について話してくれる家族・親族が「いない」と答えた生徒が52・2%になり、初めて過半数となった。沖縄戦体験者の減少により、家庭で沖縄戦を学ぶ機会が失われている状況が明らかになった。

 10年に実施した調査では、沖縄戦について話す家族・親族が「いない」と答えた生徒は35%で、「いる」の40・5%より低かった。15年調査は「いない」が43・1%、「いる」が39・7%で、初めて「いない」が「いる」を上回った。10年間で「いない」は17・2ポイント増加した。家族・親族は沖縄戦体験者に限っていないが、調査分析は「体験者の減少により沖縄戦に関する話題が少なくなっているのは事実」と指摘している。

 一方、沖縄戦を学ぶことについて「とても大切」「大切なことである」と答えた生徒は計95・5%に達し、1995年の初調査以来、過去最高となった。この結果に対し、沖縄歴史教育研究会は「戦争体験者が減少していく中、多くの若者が『悲惨な沖縄戦の実相を後世へ伝える継承者』としての自覚を強く抱くようになった」と分析した。

 調査は19年11月から20年3月の間、県立高校の2年生を対象に実施し、42校の1653人から回答を得た。