2カ月半ぶりの「Output」 30席ライブ3組出演「前進した」 那覇


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感染予防対策がとられた環境で訪れた観客を魅了するLilly drop=13日夜、那覇市牧志

 沖縄県那覇市のライブハウスOutputは13日、約2カ月半ぶりに観客を入れたライブを開催した。新型コロナウイルスの感染予防対策を講じて再開した。自粛期間中も無観客の配信ライブを催すなど営業を続けてきた。上江洲修店長は「前進はしたと思う。開催して良かった」と振り返り、ライブ再開に向けた一歩を踏み出した。

 幕開けは3人組バンドecoluが、せつなさを感じる歌声と演奏で魅了した。3人組バンドcainoは高良豊(ギター・ボーカル)の高音で力強い歌声が存在感を放った。「Parametric E.Q」「I KNOW」などはリズミカルなメロディーで引き付けた。

 トリに出演した注目の4人組バンドLilly dropはRen(ギター・ボーカル)とほのか(キーボード・ボーカル)の歌声が美しく合わさり魅了した。「Sensation」や「Newold」などシティーポップ感あふれる爽やかなパフォーマンスで楽しませた。

 Outputでは6月から開催が可能であると判断したイベントについて、観客を迎えるライブを少しずつ再開する。主催のイベントは配信とライブを同時に催していくという。状況を把握しながらその都度、対策を緩和していく方向で進める。23日には「琉球魂2020 Vol.17 慰霊の日コンサート『フェンスの向こう側』」を催す。

 感染予防対策として入場時に受付ブースでの検温や手指消毒、マスク着用を義務化した。ホールはスタンディングで最大収容人数250人が入るが、約30席の座席に変更し距離を保った環境で鑑賞できるようにした。ライブ中の飛(ひ)沫(まつ)防止対策として舞台と客席の間に幅約4メートルのビニールシートを張った。

 会場の環境整備を担当する濱里圭代表は「プレッシャーもあり慎重になった。ガイドラインも頻繁に変わるので、注意しながらやっていく」と今後について話した。

 通常営業が困難な状況が続く県内や全国のライブハウスを支援するサイトに参加し、賛同と支援を呼び掛けている。詳細はOutput公式ホームページhttp://outputop.com/

 (田中芳)