国体延期「今年は自信あった」「次の大会に」 県選手ら落胆と再起誓い


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 鹿児島県で10月に開催予定だった第75回国民体育大会と第20回全国障害者スポーツ大会が新型コロナウイルスの感染拡大の影響で来年以降に延期されることが決定した。国体への出場や入賞を目指していた県内の選手からは落胆の声が上がった。その上で「来年に向けてしっかり取り組んでいきたい」と新型コロナウイルスが収束していくことを信じ、前向きな姿勢もみせた。

昨年の茨城国体の総合開会式で入場行進する沖縄県選手団=2019年9月28日、茨城県ひたちなか市の笠松運動公園陸上競技場

 昨年の茨城国体で初優勝した重量挙げ109キロ超級の知念光亮(豊見城高―沖縄国際大出、いちご)は「どの大会もできていないので、もしかしたらと思ってはいたが」と国内最大のスポーツの祭典の延期を残念がる。東京在住だが、国体では、ふるさと選手制度で県代表として出場できる。「大事な大会。来年に向けてやっていきたい」と強調した。12月に開催が延期された日本選手権で「新記録を取りたい」と国体の分も出し切るつもりだ。

 バドミントン一家で育ってきた、沖縄水産女子の金城涼乃主将(18)は「せっかく本国体出場の可能性もあったのに」と言葉少なに語る。全国高校総体がなくなり、次の目標を県総体、国体と見据えていただけに「こんな機会めったになかった」と表情を曇らせた。

 昨年の国体が自身初の全国の舞台だった知念高ヨット部3年の上原瞬(17)は「昨年の経験を今年の全国総体、国体につなげたかった。どちらもなくなり目標がなくなった」と春先は一度部活から離れたという。今は「お世話になった先生や先輩に恩返ししたい」と気持ちを立て直し、最後の大会となる7月の県総体に向け練習を重ねる。

 陸上女子100メートルの座間味里奈(沖尚高―九州共立大)は昨年11秒93を記録し自身初の11秒台を出したが、国体は標準記録の11秒90を切れず出場がかなわなかった。「今年は自信があった」と開催が待ち遠しかっただけに落胆は隠せない。その上で日本選手権は10月開催になったことを前向きに捉え「頑張りたい」と力を込めた。