宮古島から甲子園実現を コロナ禍に燃えるアララガマ魂 市民プロジェクト


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悲願実現へ活動を活発化させている宮古島甲子園プロジェクトの平良勝之会長(前列左から2人目)らメンバー=6月22日、宮古島市内

 【宮古島】「夢の甲子園出場を!」。結成から約15年、島の球児を支援してきた宮古島甲子園プロジェクト(平良勝之会長)が、活動を活発化させている。今年は新型コロナウイルスの影響で、春夏ともに甲子園は中止になったが「コロナに負けるな」を合言葉に、悲願達成へ市民のアララガマ(不屈)魂がさらに燃えている。

 宮古島甲子園プロジェクトは、2006年に平良会長らが呼び掛けて前身「夢実現・いくぞ甲子園」として結成。島外遠征費を寄付するなど物心両面で球児をバックアップしてきた。

 「結成当時は5年で出場を目指していた。そんなに簡単にはいかないね」と平良会長は笑う。春季大会で準優勝、21世紀枠推薦や県新人大会優勝まで進むがあと一歩届かない。島外への選手流出や練習試合が組みにくいなど離島ゆえのハンディキャップも抱える。「不利を探しても仕方がない。支援する私たちが前へ前へと向かないと機運も生まれない」と話す。

 今年の春季大会、宮古高校野球部はベスト4まで勝ち上がった。「いよいよ悲願達成か」と島が沸き立つ中、甲子園は中止になった。「残念だったよ。だけどね、余計に島民のアララガマ魂に火が付いた」と熱っぽく語る。

 6月末、精力的に活動する平良会長に呼応し、甲子園プロジェクトに新たな仲間が加わった。06年夏の中学県大会で優勝した市立北中学校野球部主将だった仲間俊貴さんら宮古高校野球部OBらが後輩への技術指導を買って出た。仲間さんらは「自分たちも支援を受けた。恩返しがしたい」と意欲満々だ。

 甲子園中止を受けて、県高野連が開催する2020県高校野球夏季大会が4日、開幕。宮古高校と宮古工業・宮古総実の連合チームが出場する。平良会長は「元気に楽しくプレーする姿を見せてくれたら、私たちはさらに頑張れる。楽しみだ」と語った。
 (佐野真慈)