第2波を懸念「人と会うの怖い」「客足遠のかないか」


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 8日、新型コロナウイルスの新たな沖縄県内感染者が69日ぶりに確認された。検査で陽性となった40代男性は出張先の福岡県で、後に陽性が確認される知人と接触していた。50代女性も滞在中の鹿児島県で感染したと推定される。人の移動が感染リスクを高めることが改めて浮き彫りとなった。7日に新規感染が確認された米軍普天間飛行場在住の米軍属は5人だったことも明らかになった。県民からは感染の第2波への懸念や、経済活動の継続を求める声が上がった。

 宜野湾市内でグラウンドゴルフをしていた與儀清子さん(84)は、米軍普天間飛行場や中部での感染者発生に「また外出自粛になるのだろうか。人と会うのも怖くなってしまう。唯一の楽しみのグラウンドゴルフも3カ月できなかった」と声を落とした。詳細を公表しない米軍には「世界中の人が不安な中、詳細な情報を全て公表すべきだと思う」と注文した。

 沖縄市漁業協同組合のパヤオ直売店は、新型コロナの感染拡大前は外国人観光客でにぎわっていた。観光客減少は変わらないが、地元客は戻ってきていた。比嘉カツオ店長(51)は「また客足が遠のかないか心配だ」とため息をついた。「県民も気の緩みが出た頃だと思う。市中感染が広がらないよう気を引き締めたい」と語った。

 本部町観光協会の當山清博会長は「以前のようにイベントなどを中止するということではなく、状況を見ながら2次感染予防を徹底していきたい。外国人の方にも新しい生活様式を意識してほしい」と求めた。那覇市の会社員、大迫祥子さん(36)は「新規感染者の発生は時間の問題だと思っていた。感染者の発生は今後も繰り返すだろう。引き続き、働き方などの最善の対策を模索するしかない」と話した。

 豊見城市立中央図書館に本の返却で訪れたパート従業員の与儀かおりさん(50)=豊見城市=も「『出たか…』という感じだ。驚きはない。県外からの私的な旅行は遠慮してほしい。だけど沖縄は観光立県だからはっきりと言うのは難しい」と語った。