公開請求「乱用」なら拒否 沖縄市条例改正を可決 専門家「知る権利抑制せぬ運用を」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
沖縄市役所

 【沖縄】沖縄市議会(小浜守勝議長)は8日の6月定例会最終本会議で、市の情報公開条例と個人情報保護条例の改正案を賛成多数(賛成20、反対8、離席1)で可決した。情報公開請求の際に、請求者が公開請求の権利を「乱用」していると判断された場合、請求を拒否できる条文を盛り込んだ。専門家は「特定の人を排除するために知る権利を必要以上に抑制しないよう、運用の質を上げることが重要だ」と指摘した。

 改正により社会通念上、適正な権利行使と認められない情報公開請求があった場合に、市側は請求を拒否できる。乱用に当たるかどうか判断する基準を定めた要綱を設ける。改正案には与党会派の躍進、輝、暁のほか、公明党、野党会派のにぬふぁ星おきなわの一部の議員が賛成した。

 池原秀明氏(共産)は反対討論で「判断基準にあいまいな部分があり、当局側に(乱用かどうか)拡大解釈できる余地がある」と指摘した。賛成討論した阿多利修氏(公明)は、一部の市民による権利乱用と思われる事例が増加傾向にあるとして「何らかの処置を講ずることが求められている」と述べた。

 情報公開クリアリングハウスの三木由希子理事長は「情報公開制度そのものは誰が請求者かを問わない」と前置きする。その上で「乱用的な請求以外の知る権利を抑制しないようにするべきだ」と話した。市は9月の施行を目指す。