基地の外なら「緊急事態発令」 沖縄米軍大量感染 県の指標で「第3段階」


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米軍基地内での大量感染について記者らの質問に答える(左から)糸数公保健衛生統括監、大城玲子保健医療部長、金城典和基地対策統括監=11日午後5時20分すぎ、県庁

 県内の米軍基地で7日から11日までに60人超が新型コロナウイルスに感染した。県の警戒レベル指標では、直近1週間の新規感染者数の合計が37人を超えると感染流行期の第3段階となる。同段階は緊急事態を発令し、不要不急の外出自粛を要請するレベルだが、県は米軍人関係の感染者を県内感染者に含めず、警戒レベル指標も米軍に当てはまらないとしている。沖縄国際大の前泊博盛教授は「重大な事が起きているのに手出しができない主権国家はない」と述べ、県内の全ての基地を封鎖するよう県と政府に対応を求めた。

 県が計上している県内の感染者数は今月8日から11日で6人となり、県は警戒レベルは直近1週間の感染者数が14人以下の第1段階に該当するとしている。同段階は感染地域からの渡航者の外出自粛を要請する。 直近1週間の感染者数合計が14人を超えると流行警戒期の第2段階に進む。37人を超えると第3段階の感染流行期となり、不要不急の外出自粛や渡航自粛を要請し、イベントは中止など多くの規制がかかる。

 米軍関係の感染者数は11日までに60人を超え、県の警戒レベルでは第3段階となる。県は米側にキャンプ・ハンセンと普天間飛行場の閉鎖などを求めたが、緊急事態は発令せず、不要不急の外出自粛やイベント中止も求めていない。前泊教授は全基地を封鎖し、非常事態には基地の管理権を地元が持つべきだとの考えを示した。