県外野菜が長梅雨で高騰 ジャガイモ2.6倍、ニンジン2.9倍 8月中旬まで?


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二
県外の長雨で県外産の野菜が高騰している。スーパーはパック詰めやカット野菜で価格を抑える工夫をする=30日、那覇市のサンエー那覇メインプレイス

 全国的な豪雨被害や梅雨が続くことによる日照不足で野菜の育ちが悪く、野菜の価格が高騰している。県外の主要産地から県内への入荷が少なくなっており、7月に県中央卸売市場に入荷した県外野菜は約1700トンと、前年に比べて約400トン減少している。価格は例年の3倍近い高値が付く野菜もある。県外のお盆が終わるまで野菜の引き合いは続くとみられ、野菜の競りを運営する沖縄協同青果は8月中旬以降に価格が落ち着くと予測する。

 葉野菜の主要産地となる群馬県や栃木県の北関東では梅雨が明けず、沖縄協同青果の7月平均販売価格は小松菜が前年比1・86倍の1キロ608円となっている。直近の30日は822円まで上がった。ホウレンソウは同1・34倍の1キロ1032円で、30日は1419円の高値を付けた。
 葉野菜は長雨で品質が落ち、日持ちもしにくい。輸送を船から飛行機に変更して対策を取るが、運賃が上がるため販売価格の上昇に輪を掛けている。
 根菜も九州豪雨や関東の長雨の影響で量が少ない。畑に水がたまり、病害もあるという。徐々に北海道産にシフトされているものの、まだ量が少なく不足分を補えていない。
 ジャガイモの7月平均販売価格は1キロ当たり471円で、前年の178円に比べて2・6倍高い。ニンジンは前年比2・89倍の1キロ368円で、30日は509円と高値が付いた。同1・37倍の1キロ144円となっているタマネギも、産地の佐賀県と兵庫県淡路市で雨が続いて7月中旬から相場が上がり、今後も価格が上がる可能性が高い。
 県内の小売店は、野菜をカットして買い求めやすい価格に抑えるなど工夫を凝らしている。
 那覇市のサンエー那覇メインプレイスでは、2分の1や4分の1に切った葉野菜が並ぶ。ジャガイモは3個入りで298円と高値の傾向だ。店頭ではタマネギやニンジンも一緒になった「カレーセット」として価格を調整し、客が購入しやすいように取り組んでいる。サンエーの担当者は「なるべく入荷した日に売れるよう、商品の回転を工夫している」と話す。