高校野球夏季大会「最後までやれて良かった」 県高野連・岩﨑勝久会長に聞く


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2020県高校野球夏季大会を振り返る県高校野球連盟の岩﨑勝久会長=2日、名護市のタピックスタジアム名護

 中止となった全国高校野球選手権沖縄大会の代替として独自開催された2020県夏季大会は八重山が夏の県大会初優勝を決め、幕を閉じた。コロナ禍の中、主催した県高校野球連盟は感染症対策に奔走しながら、全11日間、期間は約1カ月にわたった大会を運営した。決勝終了後、県高野連の岩﨑勝久会長に振り返ってもらった。(聞き手 上江州真梨子)

 ―当初予定通りに終えた。
 「最後までやれたことは本当に良かった。制約が多い中で選手たちはよく頑張ってくれた。八重山は最近上位まで上がることはなかったが、この状況でよくチームをまとめ上げた。準優勝のKBCも厳しい試合を勝ち上がってきた。試合後の表情には充実感があったと思う」

 ―改めて開催に踏み切った背景は。
 「感情的な意見かもしれないけど、小学生の頃から高校野球を目指してやってきた子どもたちが最後の大会をできないのはとても切ないこと。甲子園はなくなったけど、なんとか大会はやってあげたかった。野球はさまざまな競技が使用する体育館などと違い、球場という専用の器でやるので、対策を考えやすい部分もあった。屋外という点もある。専門家の先生を呼んで勉強会を開くなどして、開催を判断できた」

 「学校では授業だけでなく、部活動や行事、全てが教育活動だと思う。生徒たちの心身を育てる上で、部活動や大会をやることに意味がある。安易に諦めることなく、教育活動のあるべき姿としてやりたかった。これは高野連の理事、各校の部活に携わる先生らも同じ思いだと思う」

 ―県の緊急事態宣言が出た。延期などの選択肢もあったのか。
 「コロナの状況は厳しくはなっても、急に良くなることはない。『やらない方がいい』という声もあったとは思うが、計画段階から対策を練りながら運営してきたので、その延長線上でやればできると判断した」

 ―印象に残る試合は。
 「準決勝の2試合。今大会、力はウェルネスと美里工業が一枚上かなと思っていたが、決勝に進出したダークホースの2校が試合をひっくり返した。一発勝負のトーナメントでよく集中力を発揮した。今大会は好ゲームが多かった」