米軍F35、部品落下事故の緑ヶ丘保育園上空を通過 爆音で泣き出す園児も


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周辺上空をF35が通過し、爆音に驚きとっさに耳をふさぐ園児ら=18日午後2時58分ごろ、宜野湾市の緑ヶ丘保育園(同園提供、画像は一部加工しています)

 【宜野湾】18日午後3時前、米海兵隊のF35B最新鋭ステルス戦闘機が普天間飛行場を離陸し、沖縄県宜野湾市の緑ヶ丘保育園(神谷武宏園長)周辺の上空を通過した。園は2017年12月に米軍ヘリの部品落下事故があり、園内を撮影した動画には「うるさい」と両手で耳をふさぐ子や、泣き出してしまう園児の姿があった。神谷園長は「楽しいはずのおやつの時間なのに。怖がる園児も多く、心苦しい思いだった」と振り返る。

 同日午後2時過ぎごろ、普天間飛行場に外来機のF35B3機が飛来した。県の調査によると上大謝名公民館では最大110.6デシベルの騒音が確認された。3機はその後、午後3時前に同飛行場から北に向け離陸。角度を東方向に変えながら緑ヶ丘保育園周辺の上空を通過した。

 同園などで米軍機騒音を測定している琉球大の渡嘉敷健准教授によると、1機目が離陸した直後の午後2時58分、保育園周辺で111.9デシベルを記録。普天間第二小学校でも109.7デシベルを記録した。110デシベルは前方2メートルにある自動車のクラクションと同じ音とされる。

 F35Bを目撃した神谷園長は「キーンという耳をつんざく爆音がしたためカメラを回すと、3機が園の斜め上空を飛んでいった」と証言した。園内にいた別の職員も、あまりの騒音に驚き、怖がる園児らの様子をカメラに収めた。神谷園長は「おやつの時間に、子どもたちがとっさに耳をふさがなければならない現状が許されるのか。命の軽視がそこにある」と憤りをあらわにした。(当銘千絵)

爆音響かせ保育園上空通過 米海兵隊F35【緑ヶ丘保育園提供】