「周りと違っていても大丈夫」 LGBT理解へ中高生向け冊子 レインボーハートが制作 


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LGBT・性の多様性について理解を深めるためのパンフレットを作成したレインボーハートプロジェクトokinawaの竹内清文代表(右)と中部商業高校の本村優教諭=13日、宜野湾市我如古の同校

 LGBT・性の多様性について理解を深めてもらうため、生徒や教職員向けに講演活動を行っているレインボーハートプロジェクトokinawa(竹内清文代表)は、生徒に配付するパンフレットを作成した。本年度、同団体は新型コロナウイルスの影響で講演をほとんどできていない。竹内代表や現職教員らの「講演ができなくても、悩んでいる生徒がいることに変わりはない。『周りと違っていても大丈夫』と伝えたい」との思いを形にした。

 パンフレットはLGBTに関する基礎的な知識や相談窓口を記載した。理解を深めるための漫画や絵本、映画も紹介している。手に取りやすいよう、手のひらサイズに折り畳める。

 1万4千部作成し、中学・高校・特別支援学校に配る予定。資金造成のため販売もしている。

 県内企業の協賛広告も載せた。竹内代表は「学校だけでなく、その先にある企業にも理解者がいるのを知ることは大きな希望になる」と意図を説明した。

 県立中部商業高校で保健体育を教える本村優教諭(35)は「無理に誰かに話す必要はない。でも、苦しくなったら頼っていい。きみの近くに個性を認めてくれる人はいる」というメッセージをパンフレットに寄せた。本村教諭は7年前から性の多様性を授業で教えている。きっかけは生徒から悩みを打ち明けられたことだった。LGBTに関する言葉の説明、当事者はどれくらいの割合なのか、同性婚が認められている国はあるのかなどを授業で紹介し、生徒の理解を深めてもらうために力を尽くした。

 授業後、悩みを打ち明けた生徒から長文の感想が寄せられた。「みんなにより深く理解してもらえた気がしてうれしい」と書かれていたという。

 本村教諭は「授業を見学したほかの教諭から『良かった』と言われることもある」と、教員にも理解が広がっていると喜ぶ。

 講演を開けない中、竹内代表のSNSには生徒からたくさんの相談が寄せられているという。「『自分はどのカテゴリーだろう』という悩みが多いが、カテゴリーは人がつくったもの。一人一人違って当たり前だ」と助言した。

 パンフレットは1部200円、20部セット千円(いずれも税込み)。問い合わせはメール、info@takeuchikiyofumi.com