天皇杯サッカー、来月16日開幕 いいニュースを届けたい 県代表・沖縄SV 闘志


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
天皇杯全日本選手権と全国地域チャンピオンズリーグへ意気込む沖縄SVの髙原直泰(中央)と県サッカー協会の玉城吉貴副会長(右)、石原聡理事=21日、県体協スポーツ会館

 サッカーの天皇杯第100回全日本選手権大会が9月16日に全国各地で開幕する。新型コロナウイルスの感染拡大で沖縄県予選は準々決勝を最後に中止になったため、県協会の推薦を受けた沖縄SVが県代表として出場する。天皇杯は2年連続2度目の挑戦となる。昨年の県予選優勝旗の返還のため、21日に県サッカー協会を訪れた元日本代表のFW髙原直泰は「代表になったからにはいい結果を残して、沖縄にいいニュースを届けたい」と意気込みを語った。(古川峻)

 今年の天皇杯は大会方式が変更され、参加チームを88から52に縮小して開催する。感染防止策として3回戦までは地域単位で実施し、準々決勝からJ2、J3の優勝チームが出場。準決勝でJ1の上位2チームが参戦する。沖縄SVは昨年2回戦で敗れた。髙原は「Jのチームと当たるところまでは頑張りたい」と目標を掲げる。

 九州サッカーリーグも中止となり、沖縄SVは昨年覇者として全国地域チャンピオンズリーグ(CL、11月6~23日)への出場権も得ている。昨年は1次リーグで敗退した。日本フットボールリーグ(JFL)昇格が懸かっており、髙原は「悔しい思いをしたチームの分も戦い、昇格を達成したい」と最大の目標に据えている。

 チームは創設5年目。今季はGK出身の山本浩正氏を監督に迎え、攻守のバランスが整った。新型コロナで対外試合ができない中、天皇杯を勝ち進むことで実戦感覚を身に付け、その先のCLにつなげる狙いがある。チームスローガンの「克己」の言葉通り、毎年のように前年度の成績を上回って成長してきた。今季こそ悲願の昇格を狙っている。

 天皇杯初戦は昨年、J1の名古屋グランパスを倒した鹿屋体育大と霧島市で戦う。天皇杯での県勢の最高成績は3回戦進出。県協会の玉城吉貴副会長は「ぜひ3回戦を突破して、5回戦、準々決勝と勝ち上がってほしい」と期待を込める。髙原は「よりよくするために貪欲(どんよく)に結果をつかみ取っていく。その先にCL、最大の目標がある」と闘志を燃やしている。