「沖縄のメリット大きい」東京でスポーツ事業立ち上げ PHYSIOFLEX社長・井上涼上馬さん


社会
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 184センチの長身。沖縄にいた頃は米国人と一緒に米軍基地内のバスケコートを駆けた。「自分はどの辺の位置にいるんだろう」。自分の実力を腕試ししたくなり、大学卒業後、日本で初のプロクラブのトライアウトを受けた。100人中最後の10人まで残ったが最終的に選ばれなかった。

 いったんは沖縄県庁の臨時職員を勤めた。選手としての限界には当たったものの、スポーツに関わりたいとの思いは変わらなかった。それでバスケで出合ったトレーナーを目指すことに。資格取得のためSOLA沖縄学園に入り、海外のフィットネス事情にも触れ、スポーツサポートのビジネスの世界を見る。

 「成長するために大きなマーケットにいかないと」と上京。都内のジムで仕事の流れを学ぶ中で、スポーツ選手だけではなく、国会議員やモデルなど選手でない人にも医療系ニーズがあることに気付き、自ら事業を立ち上げる。

 「東京ではしぶとさが必要」と振り返る。トレーニングも盛り込んだバスケのキャンプを都内で開催しビジネスにもつなげた。青少年スポーツの障害予防や一般成人の健康に対する啓発にも力を入れていきたいと考えている。

 沖縄では3人制バスケのイベント開催にも関わる。東京から見ると「沖縄は公務員や基地雇用志望で安定志向がある。それも大切だが、もう少しビジネスマインドを持って生きる力を強くすることも必要ではないか」と実感する。そのためにも「教育改革が必要」と展望する。

 父は旧玉城村出身で長男。自身も長男でトートーメーの継承が待っている。「スポーツも医療でも、沖縄のメリットは大きい」。スポーツと絡めた沖縄での事業展開に向け新たな取り組みにも踏み出している。

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 いのうえ・りょうま 1978年10月、浦添市生まれ。東京都在住。浦添高から沖縄キリスト教短大へ進学、沖縄国際大卒。2011年フィジオフレックスで事業を開始。日本テニス協会ナショナルチームサポートスタッフや東京海上日動ビッグブルーのストレングスコーチも務める。