樹齢80年のレイシの木で三線 「柔らかな音色が魅力的」


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レイシの木を切り倒す比嘉啓太さん(後方)=19日、名護市稲嶺

 【名護】レイシの木で三線を作る―。沖縄県名護市の三線愛好家が、レイシの木で三線作りに取り組み始めた。19日には知人の樹齢80年余になるレイシを切り倒し、5年から10年ほど乾燥させる三線作りに入った。レイシの三線は「柔らかい音色で魅力的」と夢は広がる。

 三線作りに取り組んでいるのは名護市の野村流音楽協会の比嘉啓太さん(33)。木は市稲嶺の宮里也子さん(65)宅のレイシ。宮里さんは「三線を作るから譲ってほしいと言われ喜んで切ってもらった」と笑顔で話した。

 この日、三線仲間や宮里さんの家族が木を切るのを手伝った。電動のこぎりで約10メートルの古木の切り倒しにかかった。枝先を切った後、直径30センチの幹を切った。地面から約1メートルの長さで1本取った後、さらに1本取り、後は廃棄した。

 「2本から大体、4本から6本の竿(さお)が取れるのではないか」と比嘉さん。「思った以上に堅く締まっているのでいい三線が作れると思う」と期待した。

 比嘉さんは三線の指導者で自ら三線も作っている。「普天間で聴いたレイシで作った三線の音色が柔らかく、とても魅力的だったので、ぜひ自分で作ってみようと思っていた」と話す。
 (幸地光男通信員)