全国初の訴訟で オンライン議論 民主主義の問題 地元以外も考えて


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
石垣市の住民投票義務付けを求める訴訟についてYouTubeで行われたオンラインイベント(YouTube画面から)

 石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票を巡る義務付け訴訟では、市自治基本条例に基づく市民の「自治権」の在り方について全国で初めて司法判断が下される。判断の行方に注目が集まる中、ジャーナリストでキャスターの堀潤さんらが動画投稿サイト「YouTube」で、オンライントークイベント「島人―すまぴとぅ―と考える大切なこと」を行った。

 イベントは今月11日、堀さんが主催する「堀潤チャンネル」でライブ配信された。堀さんのほか、時事問題を取り上げた漫才などで知られるお笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔さんも参加。原告団の若者らや弁護団の大井琢弁護士とオンライン動画アプリ「Zoom」を使い、2時間超にわたって激論を交わした。

 原告団の宮良麻奈美さん(27)らは動画で、配備計画が決定するまでの不透明な経過や、市自治基本条例に基づく住民投票に向けた経緯などについて説明し、「国策、国防のためには民主主義や行政の大事な部分を無視する市のやり方に危機感を持った」と明かした。

 堀さんは「みなさんがまずは知る、議論する、と呼び掛けたことに共感を覚えた」と語り、活発な議論を呼び掛けた。

 イベントに参加した弁護団事務局長の安里長従さんは「住民の意思を無視する市の横暴が許されるのかどうか。石垣島だけの問題ではなく、全国、ひいては民主主義の問題でもある。地元以外の人々にもこの問題を知り考えてもらいたい」と訴えた。