<インタビュー>「早く新体制に」 前沖縄県酪農組合長、突然の解任に心境語る


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
「早めに役員改選をして、問題を解決したい」と話す県酪農農業協同組合の新里重夫前組合長=8月27日、八重瀬町

 1年以上にわたり役員改選が行われないなど、異例の運営や内部対立が続いている沖縄県酪農農業協同組合。8月11日の理事会で組合長を解任された新里重夫氏(62)が同27日、琉球新報の取材に応じた。新里氏は突然の解任について「不満はある。ちゃんとした引き継ぎを行いたかったが現役員の力不足でスムーズに改選できなかった」と話した。主なやりとりは次の通り。

 ―任期を越えて在職していた。

 「2019年6月の総会で、役員改選が否決された。組合長に誰を立てたいかで、決定権のある理事の意見と組合員の意見が違っており、組合員で役員改選を否決する動きがあった。組合長として1日でも早く新体制にしようと、その後は推薦人会議を何度も開き、役員改選に向けて進めたが合意形成に至らなかった」

 「見かねた県やJA沖縄中央会が今年6月に、『役員は再任するべきでない』として、全役員をリセットし早急に改選するように調停案を出した。全役員でそれを承諾したが、定款通り再任を認める形で役員改選を行いたい支部から同意を得られず、現時点でも改選に至っていない」

 ―緊急動議で解任となった。

 「解任に賛成した5支部の役員以外、緊急動議のことは知らされていなかった。突然の解任に不満はある。ちゃんと新役員に引き継ぎたかった。スムーズに改選ができなかったのは現役員の力不足だ。私が役員改選を妨げていると報道にあったが、私は一日も早く臨時総会を開き新しい体制にもっていこうとした。8月中に役員改選を行うつもりだったが、突然、緊急動議で解任された」

 ―13年の長期にわたって組合長を務めた。

 「2008年に乳価を1キロ当たり15円引き上げたことが印象に残っている。組合で決起大会を開くなど乳業メーカーが量販店と交渉しやすいようサポートに回った」

 「新体制では、これ以上農家が減らないためにも、ふん尿処理などの課題を解決してほしい。農家が働きやすい環境を整備するのも必要だ。一日でも早く新体制になって、農家が安心して酪農に専念できる環境にしてほしい」

 (聞き手 石井恵理菜)