国頭村で「安田のシヌグ」、豊饒願う コロナを考慮し行事は縮小


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
神アサギで御願を行う区民ら=8月24日、国頭村字安田の公民館前アサギマー

 【国頭】国の重要無形民俗文化財に指定されている安田シヌグ(国頭村字安田)は、毎年旧暦7月の最初の亥(い)の日から2日間行われ、無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する行事で「ウフシヌグ」と「シヌグングヮー」が隔年で開催される。

 今年は、8月24、25日の2日間が「シヌグングヮー」となったが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、行事を縮小して区長や区民など数人による御願行事のみ行った。通常は公民館前のアサギマーで「ヤマシシトゥエー(イノシシ捕り)」「ユートゥエー(魚捕り)」「ウシンデーク」などの行事が行われるが中止となった。

 24日は、台風8号の影響により時折激しい雨が降る中、午後2時半ごろから、安田発祥の地に当たるニードーマ(根所)で御願が行われた。3時からは、神アサギで、事前に準備された神酒(みき)を取り分けて、供え物などと併せてささげ、祈願した。本来は、集落内の他の拝所を含め、8カ所に神酒などをささげるが、大雨の中、ニードーマのみでの御願となった。

 島袋武志区長は「来年はウフシヌグに当たり、山ヌブイ行事があり区民で協力して取り組んでいきたい。先人たちが残してきた貴重な伝統文化をしっかりと後世へつないでいきたい」とシヌグへの思いを話した。

(新城高仁通信員)