週2回の台風襲来「しんどい」 沖縄本島の一部で食品品薄も


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 大型で非常に強い台風10号の接近に備え、5日、本島各地でも住民が台風対策に追われた。9号に続き1週間に2度の台風襲来。各自治体は避難所を開設し、住民は屋根や扉を念入りに固定するなど、疲れた表情を見せながらも急ピッチで対策を進めた。

台風接近に備え、施設出入り口に防風ネットを張るデパートリウボウの職員ら=5日午後、那覇市久茂地のパレットくもじ

 台風9号接近時に多くの世帯で長時間の停電があった今帰仁村。停電に備え発電機を置いたコンビニの女性店長は「燃料がもつか心配。停電したら冷蔵・冷凍食品がだめになってしまう」と不安そうに話した。同村でパイナップルを栽培する大城正吉さん(63)は出荷作業に追われ、作物にネットを掛けるなど十分な台風対策ができなかった。「出荷した後だから木が倒れやすい。実が離れたらアウトだよ」とため息をついた。

 立て続けの台風接近で一部の店舗では品薄状態となっている。北谷町のサンエー北谷はまがわ店では葉野菜などが品切れに。担当者は「入荷してもすぐ売れてしまう」と話した。台風に備えて食品や日用品を買い求める客で混雑した。上地良和さん(45)=町伊平=は「帰宅したら湯船に水をためて停電に備えたい」と足早に立ち去った。

 那覇市在住の上原ひとみさん(56)は北谷町の実家に住む両親に代わり、門扉を固定し暴風に備えていた。新型コロナの影響による外出自粛や台風が重なり「両親はストレスがたまっていそうだ」と心配そうに話した。

 南城市は庁舎内にテント17張りを設置し、午後1時から避難者を受け入れた。午後5時までに6世帯8人が避難。避難所には保健師2人が常駐していて避難者に声掛けしながら検温する様子が見られた。台風9号の際にも避難所を利用した60代男性は「自分の部屋のようで安心できる。ただ短い期間に何度も続くと、しんどい」と苦笑いした。

 那覇市内の商業施設では、出入り口に暴風ネットを張ったり、板で補強したりして、従業員らが台風対策を進めた。