「九州の人はしっかり対策を」台風10号襲った南大東島の70代女性 油断し家屋に被害


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トタンが直撃し割れたガラス戸を近所の男性がベニヤ板で一時的に補修した=6日午後1時半ごろ、南大東島

 【南大東村で照屋大哲】「九州の人も気をつけてほしい」—。5日午後9時過ぎ、「ガシャーン」という衝撃音が家屋内に響き渡った。南大東島の自宅でテレビを見ていた70代女性は「大きな音にびっくりして飛び起きた」と言う。大型で非常に強い台風10号の暴風で飛んできたトタンが自宅玄関のガラス戸に直撃していた。周囲にはガラスが散乱した。外からは暴風の「ゴォーゴォー」という音が聞こえてくる。

 女性はすぐに役場に連絡した。割れたガラス戸をふさぐため、ふすまを持ってきて家の中から懸命に両手で押さえた。同10時ごろには役場職員が迎えに来たため、女性はふすまでガラス戸をふさぎ、避難所へ向かった。

 避難所から6日に自宅へ戻った女性は「怖かった。こんな台風は人生で初めて」と疲れた表情で語った。割れたガラス戸は近所の男性がベニヤ板でふさいでくれた。

 大東島地方を中心に大きな被害を残した台風10号は6日午前11時20分現在、非常に強い勢力を維持したまま九州南部・奄美地方方面に向かっている。

 女性は「対策しとけば良かった。油断していた」と話し、「九州・奄美の人はしっかり台風対策をして気をつけてほしい」と九州の人々の無事を願った。【琉球新報電子版】