那覇空港のコロナ検査、待機場所なく 外で連絡待ちの人も


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到着口にサーモグラフィーを設置して、旅行者の発熱を検知する=11日、那覇空港

 新型コロナウイルス感染症の水際対策として求められている空港での検査体制の強化は、依然として課題が多い。那覇空港では抗原検査の空港内検査が実施されているが、検査結果が判明するまで旅行者が待機する場所がなく、空港内に旅行者をとどめることができていない。

 県は7月から那覇空港で抗原検査を実施。PCR検査に比べ、検査結果が出るまでの時間が30~40分と短く、空港から離れずに採取から判定まで完結できると期待されていた。だが、結果が出るまでの待機所として県が確保していた場所が専門家から「適切でない」と指摘されたため、現状では検査を受けた旅行者は待機したり、空港外で連絡を待ったりしている。結果は電話で伝え、陽性だった場合は保健所の指示に従って対応することになる。

 今のところ抗原検査で陽性だった例はないというが、県観光振興課の担当者は「結果が出るまでの最長1時間は、(空港外で)接触がないように協力を呼び掛けている」と話す。

 到着客へのサーモグラフィーによる体温測定は、那覇空港と離島8空港で実施している。この計9空港で4月11日~9月6日に、サーモグラフィーで402人の発熱を検知した。うち6人は再検温に応じずに空港を後にしている。

 発熱者への検温や検査は強制力を持たず、任意の協力に委ねる形となっている。空港での体温測定を管轄する県交通政策課の担当者は「おおむね協力してもらっているが、時間的制約がある人が呼び掛けに応じていない」と話す。