読谷にまた来てね 村の交流団体へ特産品 地元の事業所支える<コロナに負けず 地域にエール ③>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 観光を主要産業の一つに掲げる読谷村は、新型コロナウイルス感染症の影響で、村経済に大きな打撃を受けた。村民の生活を少しでも助けられないか。また、毎年読谷を訪れるのを楽しみにしている村外の人々を元気づけられないか―。村は地方創生臨時交付金の使い道として、村民への給付・還元に加え、同村と交流のある団体へ特産品を贈る事業を展開している。

 総額700万円を投じた「よみたん大好き!めんそ~れプロジェクト」は、村内事業所の事業継続支援と、村のPRを兼ねた取り組みだ。村内事業所の御菓子御殿やオキハム、比嘉酒造などから特産品を購入。詰め合わせセット(1セット1万5千円相当)をつくり、これらを特産品ギフトとして、同村で毎年キャンプを張るプロスポーツチームや、修学旅行の一環で民泊する学校、団体約360件に贈呈する企画だ。村をPRするビデオレター付きという特典もある。

読谷村内で毎年キャンプを張るスポーツチームのユニフォームを着用し、「まっちょいびんどー」と再訪を呼び掛ける村職員など関係者ら(ビデオレターの一こま)

 村関係者によると、土産品として人気だった村の名産・紅芋を使った菓子の売れ行きが観光客の激減で伸び悩み、旧盆の簡素化により加工肉製品や泡盛などの消費も減っているという。

 企画政策課の城間康彦課長は「コロナの影響を受けた事業所の支援が一番の目的。交流のある方々に読谷のチムグクル(肝心)を届けることで、村のPRと再訪を呼び掛けるメッセージにもつながれば」と期待を寄せる。

 当分は続くことが予想される“ウィズ・コロナ”時代の中で、感染症対策を取りながら経済活動を持続させる工夫も求められている。観光客の受け入れもその一つだ。

 読谷村では旅行者が旅行中も安心して過ごせるよう、村立診療所と提携したオンライン診療システムも導入する。万一、滞在中に発熱などの症状が見られる場合、旅行者はオンライン上で診療を受けることができる。村の担当者は「医療現場の逼迫(ひっぱく)も避けられる」と述べ、旅行者と村民双方にとって有意義な取り組みにしたいと語った。
 (当銘千絵)
 (土・日・月に掲載)


めんそ~れプロジェクト、オンライン診療

 ◇よみたん大好き!めんそ~れプロジェクト【事業費】700万円【内容】各団体へ村内事業所が販売する特産品セットとビデオレターを贈る【対象】スポーツキャンプや教育委員会などの交流団体、学校など約360件
 ◇旅中における感染対策と経済支援(オンライン診療)【事業費】461万5千円【内容】発熱などの症状が出た場合、オンラインを通して読谷村立診療所の診断が受けられる【対象】村民、村に滞在する観光客