西原町長に初当選 崎原盛秀氏に聞く 「町財政の健全化を図る」「MICE施設、早期実現へ」


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西原町長選で初当選し、抱負を語る崎原盛秀氏=14日、西原町小橋川の選挙事務所

 【西原】13日投開票の西原町長選で、無所属新人の崎原盛秀氏(63)が初当選した。「『オール西原』の立場で、町を盛り立てていきたい」と意気込む。町政への抱負を聞いた。(聞き手・荒井良平)

 ―取り組みたいことは。

 「子育て支援や待機児童の解消など、取り組みたいことはたくさんあるが、まずは町財政の健全化を図る。これまで財政が厳しく、福祉・教育の予算をカットせざるを得ない状況があった。町財政を圧迫している国民健康保険(国保)の累積赤字については、期限を3年程度延ばしながら解消していきたい」

 「ただ予算をカットするだけでなく、収入を増やすために住宅、商業、工業用地の整備を図る。企業進出の話もあるが、町内に受け皿がない。西地区や徳佐田、幸地など予算がなく土地区画整理の事業が進んでいない所もある。先行投資的に予算を付けられないか、知恵を絞りたい」

 「大型MICE施設についても国の一括交付金が下りず、停滞しているが、早期実現へ向けて国や県に働き掛けていきたい。MICE建設に伴い、国道329号西原バイパスや県道浦添西原線も整備される。周囲の基盤整備も進めたい」

 ―どのような町長を目指すか。

 「選挙戦では『子や孫に誇れる町にしてほしい』という声が多かった。その実現ために先頭に立ち、国や県に西原町の考えを売り込んでいく『トップセールス』を行っていきたい」

 ―町政与党が支援する「オール沖縄」の候補を破っての初当選。町議会運営はどうするのか。

 「私の立場もオール沖縄だ。辺野古新基地建設に反対し『建白書』を守る立場だ。ただ選挙戦から、私は『オール沖縄よりもオール西原だ』と訴えてきた。財政が厳しい中で、与党だ、野党だと言っている場合ではない。イデオロギーを超えて一つにまとまっていく必要がある」


 さきはら・せいしゅう 1957年4月10日生まれ。町小波津出身。沖縄大卒。町建設部長などを歴任。2012年から16年まで副町長。18年の町議選で初当選し20年3月に町議を辞職した。