女子バスケWリーグがあす開幕 初の東西2地区制 県勢、決意胸に挑む


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 バスケットボール女子Wリーグが18日、開幕する。2020―21シーズンに挑む県勢は、デビュー5季目を迎えるトヨタ自動車の安間志織(26)=北谷中―福岡・中村学園女子高―拓殖大出=と、シャンソン化粧品の高卒ルーキー知名祐里(19)=松島中―西原高出=だ。新型コロナウイルスの感染予防対策で初めて東西2地区制となり、入場制限も設けられる異例のシーズンに臨む2人に、それぞれの決意を聞いた。 (長嶺真輝)

◆3点弾磨き、目標「優勝」 安間志織(トヨタ自動車)

課題としてきたシュート力に磨きをかける安間志織=15日、愛知県名古屋市のトヨタ自動車株式会社葵体育館(球団提供)

 161センチの司令塔ガードとして年々存在感を増す安間志織。7月にチーム練習が始まり、開幕を前に「コンディションもメンタルもいい方向に向かっている」と充実した表情を見せる。

 学生時代から強みだった鋭いドライブとパスに加え、今オフは課題としてきた3点弾に磨きを掛けてきた。「精度が上がり、今は相手に『(間を)空けてみろ』という感覚で打っている」と自信が強気を生んでいる。

 毎シーズンの3点弾成功率は約3割だが、確率を上げることで「守備を引き付ければ回りの選手をもっと生かせるし、ドライブも行きやすくなる」と持ち味を伸ばす効果も見込む。

 チームは昨季HCが代わり、タフな守備から速い攻撃につなげる形が徐々に定着してきているという。全中を制した北谷中時代と似たスタイルで「前に出すパスは当時から教えられていた。速いバスケは好き」としっくりきているようだ。

 現在、日本代表センターの渡嘉敷来夢らを要するENEOSが11連覇中で、トヨタ自動車は直近4シーズンで2位2回、3位2回と牙城を崩せずにいる。新シーズンの目標を「絶対優勝」と断言する。

 昨季限りで3人制日本代表だった伊集南が引退し、県勢では自身が最年長となった。「沖縄の子どもたちが『絶対Wリーグに行くぞ』と思うようなプレーがしたい」と力強く語った。


◆ルーキー「がむしゃらに」 知名祐里(シャンソン化粧品)
 

シュート精度を上げようと、3点弾の練習に注力する知名祐里=15日、静岡県静岡市のシャンソン美アリーナ(球団提供)

 1962年創部。旧日本リーグの初期からリーグに参戦し、優勝16回を誇るシャンソン化粧品。伝統深いピンクのユニホームに、今春西原高を卒業したばかりのガード、知名祐里が袖を通した。「このユニホームを着る重みを感じ、自覚と責任を持って頑張りたい」と気を引き締める。チームで2番目に小さい165センチ。西原高では大きい方だったが、今はチーム内に180センチ超の選手も多い。「ポストに大きな選手がいて、初めはちょっと戸惑った」という。練習の中で「毎日アドバイスをもらって、周りの選手から吸収している」と、ピック&ロールやビッグマンにポストアップさせて高さを生かす動きを日々学んでいる。武器の鋭いドライブに加え、外角シュートの精度向上にも注力する。

 体の強さの違いも痛感した。「みんな体幹がしっかりしていて、ぶつかってもぶれない」。入団したばかりの頃は周りに付いていけず「すごい差を感じた」が、ウエートトレーニングに重点を置いて「少しずつ体の強さが生まれ、どう体を使えばいいか覚えてきた」と成長につなげている。

 「ルーキーらしく、がむしゃらにルーズボールに飛び込み、全力でディフェンスする。見てる人が感動するプレーがしたい」。U―18日本代表にも選ばれた期待の新星が、国内最高峰の舞台で躍動する。