宮古ロックフェスに地域大賞 じゃらん編集長選出


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オンライン対談するミヤコアイランドロックフェスティバル実行委員会の野津芳仁委員長(左)とリクルートライフスタイル沖縄の有木真理社長(右)=18日、那覇市前島のリクルートライフスタイル沖縄

 旅行サイト「じゃらんnet」を運営するリクルートライフスタイルが特色ある宿泊施設や地域を選ぶ「じゃらんアワード2019」の沖縄ブロックで、ミヤコアイランドロックフェスティバル実行委員会が「じゃらん編集長が選ぶ元気な地域大賞」に選ばれた。宮古島市からの受賞は初めて。受賞を記念して18日、フェスティバル実行委員会の野津芳仁委員長とリクルートライフスタイル沖縄の有木真理社長がオンライン上で対談し、新型コロナウイルス感染症の影響が直撃する地域づくりの現状や今後を語り合った。

 ミヤコアイランドロックフェスティバルは、2005年に「島の子どもたちに一流のアーティストを見せたい」と始まった。「宮ロック」の愛称で親しまれ、島外からも多くの音楽ファンが訪れる。毎年5~6月に開催され、「日本一早い夏フェス」として定着している。

 15周年となる今年は5月に開催予定だったが、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、3月に中止を発表した。野津委員長は、高齢者の多い島に島外から3千人規模の参加者が訪れることを危惧(きぐ)したとして、「宮古島とともに育ったフェスなので、島の人が喜んで迎えてくれないとだめだと思った」と振り返った。12月には、過去の映像などを使ったドライブイン方式のイベント開催を予定しているという。

 宮ロックは「SAVE THE SEA,SAVE THE SKY(海と空に優しく)」をテーマに、環境保全にも取り組む。ビーチクリーンに加え、近年は会場内で販売されるビールのカップをプラスチックからステンレスに替えてごみを減らした。出演アーティストが使うカップを先行して替え、18年から来場者に無料で配った。

 有木社長は「アーティストから始めたことで、環境保全がクールな取り組みとして広がった」と手法や姿勢を評価した。

 19年まで宮古島は多くの観光客が訪れ、ホテルなどの建設ラッシュも相まって「宮古バブル」と呼ばれるほどの活況だった。しかし、新型コロナの影響で観光客は激減した。

 野津委員長は「宮古バブルのころは、ワンルームアパートの家賃が10万円になって、若い人は東京の方が家賃は安くて給料が高いと島を出て行ってしまった。観光客が来なくなって、地元の人を大事にすることの大切さに気が付いてきた」と話した。有木社長は、新型コロナが収束した後には、海外の観光地との差別化が必要になるとして「青い海と空に加えてロックを楽しむ島となれば、大きな価値になる」と話した。