「心若々しく頑張ろう」「スリーポイントの神様」宮城善光さん(76) 注目されると「元気になる」


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自宅床の間に飾り、人生の教訓歌にしている掛け軸の前で笑顔を見せる宮城善光さん=14日、宜野湾市

 真っ黒に焼けた肌に引き締まった体、人なつこい笑顔がトレードマークの男性は沖縄県北谷町安良波公園界隈では知らない人がいない「スリーポイントの神様」こと宮城善光さん(76)=宜野湾市。50歳で始めたバスケットボールは、スリーポイント勝負では負け知らずの500連勝。ただ、それだけではない。趣味の骨董(こっとう)収集に加え、70歳からは島言葉やアカペラを学び始めた。加齢により節々は痛むし、天国のことも考える。それでも「いちん春くりば色ど勝る(春がくる度に色が勝っていく)」。

 多才な宮城さんが何よりも大事にしているのは平和の心だという。バスケットでも「注目されると、人との対話が生まれる。平和を語り合う環境に持っていけるでしょ」と笑う。平和への思いは沖縄人民党公認で1970年の国政参加選挙で当選した瀬長亀次郎さんからの影響が大きかった。「沖縄にかける思いに胸を打たれた。ちょうど東京に住んでいたので、国会議事堂にお祝いのバナナを持っていったのを昨日のことのように覚えているよ」と懐かしそうに話す。

 近年、米軍による事件事故が後を絶たず、「やはり基地の撤去が解決策だ」と米軍普天間飛行場の野嵩ゲート前での抗議活動も続けている。一方で、70歳を超えたあたりから、体のあちこちが痛むという。「それでもね、みんなに声を掛けてもらったら元気になれるから外に出続けるよ」と語る。「年とぅいみそーちん。心若わかとぅ。ちばてぃいっちゃびら(年は取っても心は若々しく頑張っていこう)」と笑顔を輝かせた。

(新垣若菜)