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ドローン規制法、どこから飛行禁止? 標識もなくあいまい空域指定 市民の監視に萎縮効果【WEB限定】

 【東京】在日米軍基地やその周辺上空の飛行を禁止する小型無人機(ドローン)規制法を巡り、辺野古新基地建設が進められている米軍キャンプ・シュワブの禁止空域指定の範囲があいまいだとの指摘が上がっている。規制法は刑事罰を伴い、何を犯すと犯罪に当たるのか明示されている必要があるが、空中には境界を示す標識がなく、空域の指定自体も厳密とは言いがたい状況がある。刑事特別法で規制される陸上の米軍基地や海上ではフェンスや境界線が明示されているのと違うとの声も出る。基地の監視活動を続ける市民団体らは、規制線の設定以前に規制自体で監視行動を萎縮させるものだと問題点を指摘している。


ドローン規制法で飛行禁止区域が指定された米軍キャンプ・シュワブの海域の対象施設区域(赤線)と対象施設周辺区域(青線)=防衛省の指定リストから

 辺野古新基地建設の海上工事に先立って政府は2014年、名護市辺野古沿岸域で、それまで漁船の航行が可能だった水域も含めて立ち入りを禁止する水域を拡大した。制限海域に進入すると刑事特別法違反に問われ、移設に反対する市民らの海域への進入を阻止する形になっている。海域の制限で政府は、進入を規制するためのブイ(浮標)を設置し、近づく抗議船やカヌー隊に警告を発し続けている。

 実際にフロートを越えて刑特法違反で逮捕者も出た。陸上でも基地のフェンスの近くにある境界を示す黄色のラインを越えて進入したとして刑特法違反で逮捕されている。いずれも明確な境界線を越えたことが進入とみなされた。

 9月6日から規制が始まったドローン規制法で指定する米軍基地の飛行禁止区域は、対象施設区域とその周囲約300㍍の周辺地域からなり、防衛相が指定する。キャンプ・シュワブの対象施設区域は陸域から海域にかけて広い範囲に及んでおり、海域側の指定には起点となる陸地の2地点の緯度経度と、その2点の間で「陸岸の前面500㍍以内の海域」とだけ記されている。周囲約300㍍の周辺地域は海域側の9地点の緯度経度を明示して、各地点を結んだ海域と指定している。


ドローン規制法の問題点について、防衛省と警察庁の対応をただす、基地監視の沖縄ドローンプロジェクトのメンバーら=17日、東京都の国会内議員会館

 基地をドローンで監視している沖縄ドローンプロジェクトと辺野古ドローン規制法対策弁護団が17日、国会内で防衛省と警察庁の担当者に規制法について認識をただした。指定が新基地建設の区域とほぼ重なっていて、工事監視の排除が目的ではないかとの質問に、防衛省の担当者は「埋め立てしているから指定したわけではない。米軍の運用に必要な範囲なので指定している。使用実態を踏まえて決めている」と答えた。

 ドローンプロジェクトの奥間政則さんは、飛行が制限される区域の地理的情報が少なくあいまいだと示した。対象施設区域が「陸岸から500㍍」としていることについて「緯度経度が示されておらず、場所によっては450㍍の地点もある」と矛盾を指摘した。

 禁止空域か明確でない中で現場の警察官が侵入したのかをどう判断するのかという問いに、警察庁の担当者は「どう証拠収集するか手段は答えを控える。具体的には警備手法に関することなので差し控える」と述べるにとどめた。

 これに対しては弁護団の内田雅敏弁護士が「(禁止区域に)入っていなくても警察が介入してくれば、規制線は意味がなくなり、萎縮して飛ばせなくなり規制はどんどん拡大していく。(飛行できなくなると)環境がどう破壊されているか、市民の目に届かなくなる」と批判した。



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