障がい者作った雑貨が売り上げ減 国頭村の施設 コロナ禍打開で地域と販路開拓


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 【国頭】国頭村辺土名の障がい者支援センター「ぴゅあはーと」では、新型コロナウイルスの影響で利用者が作るクラフト雑貨などの売り上げが低下し、例年の同時期に比べ売り上げが25%減少した。そのような中でも、新たな販路を模索し、地域内の企業や近隣の観光施設との連携を進めている。勝野慎介所長は「地域との横のつながりを生かし、販売を活性化したい」と話している。

クラフト作品や木工品の製作に励む利用者ら=国頭村の障がい者支援センター「ぴゅあはーと」

 「ぴゅあはーと」には12人の利用者がおり、かごバッグや小物などのクラフト雑貨のほか、世界遺産登録を目指すやんばるの森で育った樹木の端材を活用した木工品を作っている。

 新型コロナウイルスの影響で、北部地区内の施設を対象に名護市内のショッピングモールで年に2回開かれていたイベントは、本年度の中止が決定。国頭村の道の駅で3カ月に1回開かれていたフリーマーケットも中止になった。

 作品の新たな販売方法として注目したのが、大宜味村の道の駅での作品販売。4月から販売を始め、さらに8月中旬ごろから同村田嘉里のやんばる酒造とも連携し、同社が定期便で商品を届ける際の容器に、ぴゅあはーとのクラフト作品を活用する案を検討している。また芭蕉の葉から糸を採取する際に残る外側の皮部分を使い、新たな作品ができないか打ち合わせを重ねている。

 このほかにも国頭村観光協会から、販売用マイバッグの包装作業を引き受けるなど、地域の企業などへのアプローチによって、販売や作品の幅を広げている。

 勝野所長は「地域内で販路を開拓することで、これまでよりも地域に事業者や作品について理解を深めてもらうきっかけになる。また、作品が売れたという達成感が利用者の製作の意欲にもつながる」と述べ、逆境の中でも新たな挑戦を続けている。

(下地陽南乃)