名護東道路の延伸検討 観光業界は歓迎「県民、観光客にメリット」 市民からは「選挙目当て」の声も


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 【北部】名護東道路の本部半島方面への延伸を政府が検討していることが明らかになった27日、地元の観光業界からは「渋滞の緩和で滞在時間が延び、消費拡大につながる」と歓迎する声が上がった。一方、年内の衆院解散も取り沙汰される中での計画浮上に「選挙目当てのアメではないか」といぶかる声もあった。

 海洋博公園や備瀬のフクギ並木などの観光地がある本部町。周辺道路では慢性的な交通渋滞が発生しているという。町観光協会の當山清博会長は「県民、観光客双方にメリットがある計画だ」と歓迎した。延伸で本部半島や国頭方面へのアクセスが改善されることを期待する。「観光客が分散化することで密を避け、(新型コロナウイルス対策の)新しい生活様式に沿った観光圏ができる」と展望した。

 今帰仁村と名護市との境界にあるオリオン嵐山ゴルフ倶楽部では、テーマパーク建設計画が進む。村観光協会の玉城喜次会長は「(延伸した道路で)テーマパークと古宇利島など村内各地を結ぶことができれば、今帰仁村の発展のチャンスになる」と期待した。

 一方、本部町島ぐるみ会議の原田みき子さんは名護市辺野古の新基地建設を見据えて「地元を抱き込もうという、政府の姿勢の表れだ」と警戒感を示した。原田さんは「辺野古移設を認めさせるためのアメではないか」と指摘した。