首里城再建に向けて防火設備設置へ 国が21年度予算に計上 「正殿」地下に送水管


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首里城正殿(資料写真)

 【東京】昨年10月に焼失した首里城の再建に向けた事業について、政府は30日までに、2021年度から防火設備の設置に着手する方針を明らかにした。新たな正殿の着工前に地下に送水管を埋設する。防火体制を強化するための措置で、内閣府が整備費用を2021年度の予算に含めた。

 内閣府によると、正殿の建設予定場所の地下に連結送水管を設置する。設置費用は、内閣府が来年度、国営沖縄記念公園の整備事業などのために計上した41億円の予算要求に含まれる。連結送水管は施設内部に配管設備と放水口を設けるため、施設内部から放水ができるようになる。

 昨年10月の火災では、首里城の城郭内に消防車両が進入できず、城郭周囲から消防隊がホースを長距離にわたって延長して放水した。これが消火作業の遅れにつながり、被害の拡大を招いたとの指摘がある。

 連結送水管は、火災発生時に施設外部の消防車両から消火栓を通じて取水するため、効率的に消火作業ができるようになる。