原点のコザを新たな出発点に 「佐渡山豊展」初開催 沖縄市 写真や衣装で50年振り返る 


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【沖縄】伝説の名曲「ドゥーチュイムニィ」で知られるシンガーソングライター、フォーク歌手の佐渡山豊さんの足跡を振り返る「佐渡山豊展」が、2日から沖縄市一番街の同市音楽資料館おんがく村で始まった。15日まで。

初の個展でファンに来場を呼び掛ける佐渡山豊さん=2日、沖縄市音楽資料館おんがく村

 今年古希を迎えた佐渡山さん。音楽活動も50年の節目で個展は初めて。復帰前の激動の世相の中、71年に沖縄フォーク村を結成し、初代村長となる。復帰翌年に上京し、アルバム「世間知らずの佐渡山豊」でデビューを果たして活動を全国展開した。吉田拓郎さんや泉谷しげるさんらとフォークシーンを席巻し、一躍時の人にもなった。

 佐渡山さんは78年に帰沖後、活動を休止していたが、97年に「さようならおきなわ」、2013年に「つむじ風」をリリースするなどライブ活動を本格再開。今月には新譜「やっとみつけたよ」が発売される。

 同展には全国紙や有名写真誌などに紹介された記事や、ライブ写真、レコード、CD、舞台衣装など約400点を展示している。特に20年来のマネジャーである木下頼子さん(62)=東京都出身=が、中学校時代から熱烈なファンとして収集していたという未発表の資料ファイルは圧巻。県内のファンには上京時代の活躍ぶりを知る手掛かりになっている。

 佐渡山さんは「自分はコザンチュ(沖縄市生まれ)でもあり、原点を振り返ることができる企画展に感謝している。社会がまた混沌とする中、新たな出発点にしたい」と決意を込めていた。

 11日にはおんがく村で同市出身のギタリスト・国吉亮さんをゲストに迎え、トークライブを開く。ただし事前予約で満席となっており、ライブ視聴(https://youtu.be/oFLuISWzTWY)を呼び掛けている。おんがく村の開館時間は正午から午後6時。(電話)098(923)3224。

(岸本健通信員)