沖縄の企業、休廃業・解散が急増 今年8月までに300件、前年より30パーセント増


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 東京商工リサーチ沖縄支店は6日、今年1~8月に沖縄県内で休廃業・解散した企業が前年同期比30・4%増の300件に上ったと発表した。新型コロナウイルス感染症の影響を受けた業績悪化により、倒産に至る前に事業の継続を断念する事例が増えているとみられる。このペースが続くと年間で450件に達し、2018年の375件を大きく上回って集計を開始した2000年以降で最多となる可能性がある。

 同支店が定期的に実施している企業へのヒアリングなどを基に、倒産以外で事業活動を停止した企業を集計した。

 増加している原因について詳細な分析はこれからだが、同支店は「経営者の高齢化によって事業承継が円滑に進まない中で、新型コロナの影響を受けて急激な業績悪化に陥り、事業継続意欲を失った企業や経営者が増えたと考えられる」と指摘。後継者がいないことによる休廃業がコロナ禍によって前倒しとなっている可能性を挙げた。

 産業別では、サービス業他の休廃業・解散が129件で全体の43%を占めた。企業数が多く、観光客減少の影響などを受けた可能性があるという。建設業は42件で14%だった。人手不足や経営者の高齢化も背景にあるとみられる。

 業種別に前年同期と比べた増加率を見ると、食料品製造業が5倍の10件となった。設備工事業は3・75倍の15件、宿泊業は3倍の6件だった。東京商工リサーチ沖縄支店の担当者は「一定の規模や特殊な技術のある企業は合併などで事業承継も可能だが、多くの企業は厳しい」と話した。

 国や県などが感染症対策として資金繰りを支援している効果もあり、1~8月の倒産件数は20件と、前年同期の32件から37・5%減となっている。一方で、後継者不在とコロナ禍は短期的には解決せず、今後休廃業・解散はさらに増加が予想される。