沖縄県立芸術大学大学院生の松本莉央さん(25)が、コロナ禍でいろいろな行動が制限された社会、生活を表現したアート作品「パラダイムシフト」を制作した。
作品は3日から8日まで、那覇市の同大学付属図書・芸術資料館で開催した個展で紹介した。「パラダイムシフト」があるのは展示室の一室。机と絵を描くイーゼル、テレビが置かれている。物同士の距離は広く取られており、ビニールがかぶせられている。
「3密を避ける社会。安易に物に触れられず、フェースシールドやビニールシートを使うことで物が見えづらくなっている。コロナ禍による不便性を表現した」と松本さん。
大学のアトリエが一時使用できなくなり、自宅での創作活動を余儀なくされた。多くのアーティストがネットを利用した作品の発信を模索した。松本さんは「芸術や自然は生で見てこそ分かる美しさもある。ソーシャルメディアの限界を感じたアーティストも多いと思う。しっかり対策をすることで、多くの人が美術展で楽しめる社会に戻ることを願いたい」と力を込めた。個展は入場無料。