辺野古新基地視察の官房長官「着実な進ちょく確認」


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陸上自衛隊UH60JAヘリに乗り込む加藤勝信官房長官=10日、那覇基地

 加藤勝信官房長官は10日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた工事状況の視察後、報道陣に「南側の海域では半分ぐらいが陸地化している。工事が着実に進んでいることを確認した」と強調した。水深の浅い辺野古側海域の工事だけを取り上げて進展を誇示した形だが、県の試算によると、8月末時点の土砂投入量は全体の3・2%にとどまる。

 水深のある大浦湾で軟弱地盤が見つかり、設計変更の承認を県から得られない限り工事を進めることはできない。玉城デニー知事は認めない構えだ。

 辺野古側海域の埋め立ても当初の予定より遅れている。玉城知事は「全体完成の見通しが全く立てられないのが現状だ」と指摘している。

 沖縄防衛局は9月末に辺野古側の一部の区域(6・3ヘクタール)で、海面から3・1メートル(一部護岸沿いは4メートル)までの第1期工事を終えた。2018年12月に土砂投入を始め、工期を2度延長していた。最終的に約8メートルまでかさ上げする必要があるとみられる。

 辺野古側で埋め立て中のもう一方の区域(33ヘクタール)は海面から3・1メートルに達するのは21年9月の予定だが、この区域も工期を延長した経緯があり、予定通りに進むかどうかは不透明だ。